高橋忍のにゃんともWindows

PowerPointにアニメーションGIFエクスポート機能が降臨!

 すいません。久しぶりに興奮してしまいました。

 これまで3Dモデルの対応や、変形アニメーションなど、PowerPointにはしばしば神クラスのアップデートが降臨します。そして今回、最新版のPowerPointに、待ちに待っていたGIFアニメーションとして保存する機能がついにやって来ました!

ビデオ保存はある

 そもそも、PowerPointにはスライド再生をMP4動画として保存する機能はありました(知ってました?)。しかし、アニメーションGIFには対応しておらず、動画が扱えないブログやSNS用にスライド作成→MP4保存→別アプリでGIFに変換、という操作が必要で、その作業は非常に面倒でした。

 今回のGIFアニメーションでの保存機能は、機能としてはこの動画として保存する機能の延長とも言えます。しかし、変換までの作業が短縮できるようになったのは嬉しい限りです。

 さらに、これまでアニメーションGIFへの変換アプリやサービスはありましたが、作成ツールもなかなか個人的にしっくり来るものがありませんでした。でも、PowerPointをアニメーションGIFの作成ツールとして使えるなら、これ以上のものはありません!

使い方

 使い方も簡単で、[ファイル]メニューから[エクスポート]を選択して[アニメーション GIF を作成]を選ぶだけ。

 フォーマットも4種類用意されていて、ブログの挿絵的な小サイズ(240p/15fps)から、フルHDビデオレベルの特大(1,080p、24fps)まで用意されています。

 では実際の作り方や使い道などをいくつか紹介しましょう。

使用例❶:プレゼンを保存

 まずは王道のプレゼンテーションの保存ですね。説明用の記事の中で、動画よりも気軽に使えるアニメーションGIFは重宝します。

 せっかくなので、3Dオブジェクトと画面遷移アニメーション[変形]を使ったスライドを使ってみましょう。はじめに、Surface Book 2の3Dモデルを、フリーで公開されているオンラインソースから持ってきました。Surfaceシリーズはすべて無料で高品質な3Dモデルが公開されているので助かります。

 「変形」は、スライドをコピーして2枚目のスライドを修正して“移動前”と“移動後”の状態を作ることで、その間を自動的にアニメーションで保管してくれる、画面遷移機能の一つです。

 さて、これを アニメーションGIFで保存してみました。

 『嘘みたいだろ?これPowerPointだけで作られているんだぜ?』はっきり言って最高です!

使用例❷:動画変換

 PowerPointのスライドショーをアニメーションGIFで保存できるということは、スライドに動画だけ貼っておけばその動画をアニメーションGIFに変換できるということです。いわゆるMP4→GIF変換ツールとして使えるわけです。

 ではやってみましょう。まずはPowerPointに動画を置きます。

 このまま、保存すればできそうですが、問題はスライドのサイズと動画のサイズ。アニメーションGIFはスライドを動画にするものなので、このままでは上下に余白が入った状態でアニメーションGIFが作成されてしまします。では、どうやってサイズを合わせるか? 残念ながらサイズを自動的に調整してくれる機能は無いので、ここは手動でサイズを合わせるしかありません。

スライドサイズを動画に合わせる

 まずは動画を選んで、[書式]リボンから[サイズ]で縦を“10cm”にしてみましょう。すると横が自動的に小さくなるので、横の長さはコピーしておきます。

 次はスライド自体のサイズを同じサイズにします。[デザイン]リボンから[スライドのサイズ]ダイアログを開き、[スライドのサイズ指定]で[ユーザー設定]を選んで設定します。ここで先程入力した縦を10cm、横はコピーした値を貼り付けます。このダイアログでは縦と横の順がさっきと逆なので注意してください。

 このあと“最大化”するか、“サイズに合わせて調整”するか聞いてくるので“最大化”を選びます。

 これで同じサイズになったので、あとは位置を合わせるだけです。

 最後に[ファイル]メニューから[エクスポート]を選択して[アニメーションGIFの作成]を選んで保存するだけです。

動画の一部だけをアニメーションGIFにする

 さて、動画全部をアニメーションGIFにすると非常に大きくなってしまい、使えないケースが多々あります。なので、せいぜい10秒くらいまでにカットしたほうがいいわけですが、PowerPointにはその機能もあります。動画を右クリックして[トリム]を選べば動画の一部分だけを切り出すことができます。

 動画の始点と終点を選んで切り取ります。右上に累計の時間が出ているので、この時間を確認しながらトリミングをします。

 飼い主が構いすぎて、困り果ててる猫のアニメーションGIF動画も簡単です。

使用例❸: 画面録画機能との連携

 PowerPointには画面録画の機能もあるので、アプリの使い方を説明するアニメーションGIFを作ることができます。アプリを立ち上げてスタンバイしたら、PowerPointを立ち上げて、[挿入]リボンから[メディア]エリアの[画面録画]を選択して、録画する範囲を選択します。

 あとは「録画」ボタンを押せばその範囲だけが録画されます。

 録画を停止するとPowerPointに動画ファイルが作成されています。ここまでくればこちらのもの、あとは使用例2と同じ用にサイズ調整して保存するだけです。

 余談ですが、これは「Unity」で重力を約1/10にしてボールの落下をシミュレーションしてみたところを録画したものです。面白い。ちなみに、これを作るときはコードを1行も書いてません。

 そして、この方法を使ってPowerPointの操作方法解説のアニメーションGIFを作ってみました。これは解説用のPowerPointと録画用のPowerPointの2つのPowerPointを使っています。

使用例❹:アニメーションGIF作成ツール

 PowerPointには強力なアニメーション機能があります。これを使ってオリジナルアニメーションGIFを作るツールとしてPowerPointを活用します。

 注意するのはスライドのサイズ。はじめにも紹介したとおり、アニメーションGIF保存はスライドをすべて保存してしまうので、ベースとなるスライドのサイズをアニメーションGIFのサイズに合わせて小さくしておきます。

 [デザイン]リボンから[スライドのサイズ]-[ユーザー設定のスライドのサイズ]から設定します。

3Dオブジェクトを使ったアニメーション

 さて、アニメーションを作るのに一番簡単なのはアニメーション付きの3Dオブジェクトを挿入することです。[挿入]リボンの[3Dモデル]-[オンラインソースから]で[アニメーション化された3Dモデル]を貼り付けます。

 これでアニメーションGIFを作成すればOK。画像がはみ出ていてもスライドのエリアしか保存されません。

 アニメーションがない3Dモデルでも、標準でいくつかのアニメーションがあるので、そちらを使うと効果的なアニメーションGIFを作ることができます。こちらは地球の3Dモデルに、[ジャンプしてターン]と[ターンテーブル]の2つのアニメーションを加えたものです。

画像を使ったアニメーション

 でもなかなか適したアニメーション付きの3D素材を探すのは難しいです。ですから2Dの画像をアニメーションしてみるのがいいでしょうね。写真にアニメーションを4つほど設定したものです。

テキストを使ったアニメーション

 PowerPointでイラストを扱うのも自信がない、そんな方でも大丈夫。PowerPointには強力なテキストアニメーション機能があります。

 アニメーションは通常オブジェクト全体に1度実行されますが、テキストの場合は1つのアニメーションを行ごとに順番に実行することもできます。もちろん行ごとのアニメーションを変更することも可能。

 これでできたのがこのテキストアニメーションGIF。

 1分位で作った割にはそこそこの出来でしょ?

にゃんとも:GIFアニメがより簡単に!

 アニメーションGIFは動画対応していないブログやSNSでも、動画のような情報を伝えられる強力なフォーマットです。

 PowerPointがアニメーションGIFに対応したことで、更に簡単に効果的なアニメーションGIF作品を作れるようになります。うちのにゃんこ達の動画もGIFで簡単公開できますね。

 もうどうにも止まらないです。

Lineスタンプ公開中

 「ノル猫たちの楽しい毎日」 「ノル猫たちのハッピーライフ」Lineスタンプ公開中です!